ケルトと縄文
1952年に岡本太郎は美術雑誌”みずゑ”紙上に”縄文土器論”を発表します。その中で岡本は「空間に強烈に挑み、激しく、うねり、流れ進む。決して固定しない。まさに無限に流動する線・・・地球の方がこちらにからみついてくるような、情感にみちた動の宇宙観」を感じ取り、「驚くのは、このケルトと縄文文化の表情に、信じ難いほどそっくりなのがあることだ」とも指摘しています。この岡本の縄文の再発見から、現在の縄文ブームが生まれたと言われていますが、トラ的により重要なのは、岡本の感性がケルトとの相似性に気が付いた部分にあります。
岡本が見たであろうケルト文様がどれであったか特定はできませんが、ネットで拾って来た、アイルランドやイギリスに残る幾つかの文様を紹介します。螺旋と渦巻き、空間に無限に伸びていく蔦の様な感覚・・・恐らく岡本は、その底にある作者の感性の相似性を指摘したのであろうと思います。
さて、縄文文化は最近の考古学的発見から、日本列島で約一万年前に始まり、大陸から来た弥生人とその文化に乗り換わられるまで、かなり高度な文化を非常に長期に亘って発展させた事が分かって来ました。反面ケルトはその始まりが特定できていませんが、約4000年前に突然西アジアからアルプスを越えて、ヨーロッパに入り2000年以上に亘って独自の文化を築いた事が分かっています。縄文が石器文化、ケルトは鉄器や青銅器文化であり、文明史的には異なる文化グループなのですが、調べて見ると、非常に多くの共通点が見つかります。
- 森と木と農耕の文化、特に”ブナ林”で文化が発生している(縄文とケルト以外には、古代アメリカインディアンの文化がやはりブナ帯に属している)
- 文字を持たず、”語り”により文化を伝承(インディアンも同様)
- 多神教であり、自然や自然現象に神性を見出した(インディアンも同じ)
- 巨石の遺跡が多数発見されており、非常に似た構造の巨石遺跡あり(ストーンヘッジと東北の三内丸山遺跡の相似性)
- 輪廻転生を信じていた
- 翡翠を使った装飾品や器が多数残されている
- 蛇が重要なテーマ・・・螺旋・渦巻き・縄文は同じ蛇のイメージ
ケルトと縄文の比較文明論は幾つかの有名な著作でも紹介されておりますが、トラが一番大事だと思うのは、自然と共生し自然からメッセージを受け取り、自然に敬意を払い、輪廻転生を信じていたという部分です。この縄文・ケルト的な感覚は、現代の日本人にも色濃く残っていると思えます。21世紀になり、科学や合理性や効率だけで発展させて来た近代の明確な限界が見えて来た時代にこそ、この古代の人々の思想は見直されるべきだし、その中で、自然との感受性を今でも強く残す日本人の、実は大事な役割と思えて仕方ありません。
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東武個展、無事に搬出も終りましたよ(^-^)。
夜の道を45分、国道4号線をひた走り、
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自分のレベルが、まだまだ・・・と実感。
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いろいろ学ぶこと... [Read More]
Tracked on November 09, 2005 at 09:13 PM


Comments
トラさん、こんばんは!
今回は、よりいっそう深いケルトのお話、しかも全く考えもよらない内容でした。
ケルトの本を少しだけ読みましたが、縄文模様と関連づける発想はすごいなあ。
確かに似てるよね。
>自然と共生し自然からメッセージを受け取り、自然に敬意を払い、輪廻転生を信じていた
というのも、楽しくなるようなお話でした。
すばらしい内容の記事をありがとうございました。
Posted by: しゅう | November 09, 2005 at 09:12 PM
しゅうさん、早速の書き込みありがとうございます♪
まだまだ書きたいこと、深堀したい事はあるのですが、まあ、趣味でやっているブログでは限界がありますです。でも、こうやって、ヨーロッパで目にしたことや耳にしたことをベースに、発想の翼を広げて深く深く追っかけると、とても面白いですし、自分の理解も深まりますね。この話題、続編が必要です。お楽しみにね!
Posted by: トラ | November 10, 2005 at 01:05 AM
トラさん、こんにちは。最近のフランスでの暴動と、ヨーロッパ他地域への波及には本当に胸が痛みます。つい先日、ニースのアラブ人街に出没していたので、本当にあの人たちが放火したり人を投げたりしているのだろうか・・・、あんなに平和で退屈そうな街に、不満が埋もれ火のように燻っていたのだろうか、とショックです。人間不信にならずに、かつ安全に気をつけるのが、今世界のどの地域でも必要なんですね。
縄文とケルトのつながり、意外です! 岡本太郎の文章、含蓄がありますね~。イサム・ノグチの伝記を読み始めたのですが、彼も自然との関わり方が日本的で、作品はすごく好きです。日本人のお父さんとの関係は複雑みたいだけど・・・。
ところで、しゅうさんのコメント読んで、ブログに行ってきました。自分のレベルが、まだまだ・・・と実感。でも、ぜんぜんだめでもないんだなあ・・とも実感。 素晴らしいですね! わたしもがんばろう!っていう元気をもらった感じです。
Posted by: サリー | November 10, 2005 at 12:39 PM
トラさん
こんばんは!
いつも素早いご返事、ありがとうございます!
また、お時間あるときに続編お願いしますね。
サリーさん
こんばんは、僕のブログの感想を発見、うれしかったです。
個展をやると、絵を見て喜んでくれた方の「気」を充電してくれるので、精神的にはとてもアクティブになります。いつも個展の前よりも、ずっと絵を描く気力が充実します。でも、ここでリフォームに走ると、せっかくの創作エネルギーが建築に向いちゃうんだなあ・・・(今までの反省)
Posted by: しゅう | November 10, 2005 at 08:56 PM
サリーさん、いらっしゃい♪
先程パリから戻りましたが、パリの街はとても平静で、事件が起きている感じは無かったです。駅とかにすこし大目に警官が配置されているのと、街中が工事中で渋滞ばかりであったのが目に付く程度の変化でした。CNNが出来て以来、報道が実際より過剰に行われる傾向があり、特に日本の報道はあたかもフランス全土がどうにかなっている感じでありますが、実はそうでも無いのです。昨年、イスラエルに居た時に特にそう思いました。
しゅうさんのブログへのサリーさんのコメント、そうですよね。トラも同じように感じました。”まだまだ”って感じる事が大事ですね。卑下もせず尊大にもならず謙遜もせず、素直に自分の居場所を理解できるって、とても大事なことだと思います。トラもいつも心がけています。気取った意味ではない自然体、肩の力が抜けて空気が澄んで、自分を含んだ全ての周りを遠くまで見渡せる感覚、真冬の星空を眺めている感じ。そういった立ち方をしたいものです。
しゅうさん、またいらいっしゃいませ。トラブログ経由してのサリーさんとしゅうさんのラリー。。。これがネットの面白さですね。文章を書く人も絵を書く人も仕事をする人も、誰かが見ていてくれて、反応してくれるって励みになります。本格的な冬になればリフォームも出来なくなるでしょうし、創作には最適な時期になるのではないかしら?冬の那須を是非描いてください♪♪
Posted by: トラ | November 12, 2005 at 07:07 AM
すぐ読んで面白かったので書き込みを・・と思いながら、なかなか書きに来れなかったのですが、縄文とケルトの類似性を、トラ流に考察したお話、とっても興味深かったです。岡本太郎が、縄文文化の研究からかなりの芸術的ヒラメキを受けたことは知っていましたが、縄文とケルト、そしてインディアンに沢山の共通点があることに改めて驚きました。
”ブナ林””語り”“多神教、自然や自然現象に神性を見出した”“巨石の遺跡”“輪廻転生”“翡翠”“蛇、螺旋、渦巻き”
などほろね・・時代的には、日本の縄文がいちばん古いことになるのかしら?私事だけれど、私が泥をこねて人形を作り始めたきっかけも、ある一体の“縄文時代に作られた土偶”と不思議な出会いをしたのがきっかけです。インディアンの文化にも惹かれつづけて来たし、ケルト音楽やケルト文化に興味も持って来ましたから、もつれた糸が、大きな綱、縄に編まれて来た気がします・・・そう、それこそ輪廻の様に渦をまき、螺旋階段を登るようにね。。。そう言えば人のDNAの形状も、ちょっと似てると思いませんか?
Posted by: クプカのあけみ | November 28, 2005 at 10:36 AM
あけみさん、お返事遅れましてすいませんです。
このケルトに始まった古代文明の旅は、かなり長い旅になると
思います。まだ専門書までには行っていないのですが、次回
もう少し古代文明の相似性に関して記事を作ろうと思ってます。
人は恐らく長い長い旅を過ごして来て、ある段階にまで来たと
いう感じがしています。そしてもう一度文明や文化の出発点に
まで遡って、自分達のあり方を見てみないといけない時期に
に来ているんだと思います。先週取引先を集めた会議の後の
ぢディナーで、イタリア人・オランダ人・イギリス人・スェーデン
・ドイツの人達と会食、たまたまイタリア人が付けていた
アクセサリーがトラの好きな古代インディアンのホピ族(前に
しゅうさんにはホピの聖書をお見せしました)の笛吹き族の
シンボルを付けていて、それで古代文明の話になって、延々
2時間いろんな話をしましたが、国籍や年齢にに関係なく、
気づきと精神世界への回帰は本当に共通のテーマでした。
知り合ったきっかけはビジネスですが、ビジネスをやるのは
人間だし、人としての心持がとても重要な意味を持つので
あります。その意味でも、この話は長い長い旅の始まりだと
感じています。
Posted by: トラ | November 30, 2005 at 07:30 AM